【第13回】ロータス博士のWinActor塾~エミュレーション
マウスとキーボード操作のエミュレーション
WinActorにはエミュレーションというライブラリがあります。
基本ノードといってもおかしくない程有用で、シナリオ作成には欠かせない部品です。
このライブラリは、マウスの操作、キーボード入力、指定時間待機ができます。
特に、エミュレーションとWindowsショートカットキー入力との組み合わせは汎用性が高く強力です。
今回はこのエミュレーションの使い方を見ていきましょう。
エミュレーションライブラリは下図のフォルダに置かれています。
プロパティ解説
操作対象が「マウス」の場合
①ウィンドウ識別名
ターゲットボタンで操作対象画面を指定します。
②操作種別
「マウス」を選択してください。
③操作内容
「左ボタン」「右ボタン」「ミドルボタン」があります。
①で指定したウィンドウに対し、マウスによる操作を実行します。
④「Down」「Up」の操作
「Down」「Up」を組み合わせて設定します。

自分がマウスを操作するとき、押して離すという操作をするだろう。
押す=Down、離す=Upという動作となる。
Downの設定だけでは押しっぱなしになってしまうぞ。
- 「Down」を選択して「追加」をクリックします。
- 「Up」を選択して「追加」をクリックします。
⑤原点
操作位置指定の原点を「左上」「左下」「右上」「右下」から選択します。
⑥の座標を設定する場合、指定した原点を起点として計算されます。
⑥座標
座標には2通りの設定方法があります。
【操作位置を直接設定する方法】
⑤の原点を設定し、操作位置を「座標」か「%」で設定します。
【座標確認ボタン(+)を使って設定する方法】
- ⑤の(+)をクリックすると、①で取得した画像が表示されます。
- 対象となる位置をクリックすると(+)が点滅します。
- X座標、Y座標に数値が設定されます。
①ウィンドウ識別名
ターゲットボタンで操作対象画面を指定します。
②操作種別
「キーボード」を選択してください。
③操作内容
プルダウンから操作するキーを選択します。
④「Down」「Up」の操作
「Down」「Up」を組み合わせて設定します。

「Tab」キーを例に考えてみよう。キーの入力を細かく分解すると
Tabキーを押す(Down)→離す(Up)という二つの動作に分けられる。
エミュレーションは人間の行う動作の通りに設定するのじゃ。
- ③操作内容 のキーを選択します。
- 「Down」を選択して「追加」をクリックします。
- 「Up」を選択して「追加」をクリックします。

では今度は多くの人が使っているであろうコピーをしてみよう!
右クリックからではなく、ショートカットキーを使うのじゃ。
コピーは Ctrl + C で行うのは知っていると思う。このキーボードの操作を分解してみよう。

えーと、DownのあとにUpしなければ押しっぱなしになるから…
「CtrlをDown」してから「CtrlをUp」するまでの間にCキーを押せばいいわけですね!

その通り!
「Ctrlを押しながらC」となる。この動きを設定すると以下のようになるぞ。
待機時間が設定できます。
待機時間(ミリ秒)を指定し「追加」をクリックします。
連続で操作を設定すると、間髪なしに入力が行われます。
ロボットによる入力はかなり高速であるため、操作対象によっては入力漏れが発生する可能性もあります。
操作を連続で設定する場合は待機時間を合間に挟むことをオススメします。
エミュレーション実践!乗換案内ページの操作
【やりたいこと】
現在日時で到着時間指定で検索をする
・「乗換案内」の画像を取り込む
・「出発」「到着」の欄を入力し、「到着」ボタンを押下する
・「Enter」で乗換案内結果を見る
①・③「文字列送信」ノード の設定
②・④エミュレーション「Tab」キーの設定
⑤エミュレーション「マウス」操作の内容
⑥エミュレーション「Enter」キーの内容

エミュレーション以外のノード設定は割愛したが、うまく作ることはできたかな?
シナリオ作成には欠かせないパーツじゃ。何度も挑戦してみよう。
画面操作には必須となるから、必ず覚えておくのじゃぞ!
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